魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

どうして見破られたのか、わからない。



「嫌なことでもあったのか?」



優しい声色でそう聞いてくれるフードさんに、ごくりと息を飲んだ。

どうして……気づいてくれるんだろう。



「い、いえ……! 本当に何もありません」

「そうか……」



フードさんには言えない、こんな話。

言っても困らせるだけだ。それに……気分のいい話ではないはず。

フードさんには、できるだけ私といる時間を楽しいと思ってもらいたいから……暗い話はしたくない。



「言いたくないなら言わなくていい」



大きな手が、私の頭に乗せられた。



「でも、俺はいつでもお前の味方だ。困ったことがあれば、いつでも話せばいい」

「あ……」

「必ず力になると約束する」