魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

だけど……やっぱり、言えない……。



『いい? あたしとルイス様の邪魔したら……ただじゃおかないから』

「……いえ」



星蘭の顔が浮かんで、足がすくんだ。

怖い……。

私の返事を聞いたルイスさんは、鼻で笑った。



「そういえばお前、俺が星蘭に贈った花をめちゃくちゃにしたそうだな」



え……?

花って……この前星蘭が持って帰ってきた……?


どうやらあの花束は、私がめちゃくちゃにしたことになってるようだった。

あの花は持ちがよく、1週間以上経った今も枯れずにリビングを彩ってくれている。



「どこまでも醜い女だ……自分に花を贈ってくれるような男がいないから、嫉妬したのか?」



私を軽蔑しているルイスさんの目。



『名前だけじゃなく、お前のことが知りたい』