魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

いろいろと誤解があることはわかったけど、一番気になったのはその名前が出たことだった。

今日、その人の話題で持ちきりだったけど……どうしてここでも、その人の名前が?



「とぼけるな……! 俺を踏み台にしようとしたことは知っている……!」



踏み台……さっきから、どういう意味だろう……。

星蘭がルイスさんに何を言ったのかわからないから、どう説明していいかもわからない。

だけど、ひとつだけ言えるのは……。



「私、は……」



ただ……。

ルイスさんが、好きだった……。

真実は、それだけだった。



「なんだ? 言いたいことがあるなら言ってみろ」



じっと、私を見下ろしているルイスさん。

言いたい。誤解を解きたいって、ずっと思ってたから。