魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

桃色のバラの、形も美しい花びら。

あ、そうだ。

いいことを思いついて、散らばっている花びらを拾った。

これをしおりにして……星蘭に渡そう。

しおりなら、星蘭も使ってくれるかもしれない。

せっかくルイスさんが星蘭にプレゼントしたものだから……ただ枯らしてしまうよりも、形に残すのがいいと思った。

他の花は、せめて星蘭が見える位置に飾っておこう。ルイスさんも、そのほうが嬉しいはずだ。

それにしても……立派な花束……。

桃色のバラと一緒に、同じ色のラナンキュラスも混ざっている。赤に近いマーガレットや、デイジー……様々な種類の花が、お互いを引き立たせながら集まっていた。

桃色の髪をした、愛らしい星蘭にぴったりの花束。