できれば……フードさんの耳に、私の噂が届きませんように。今はそう祈るしかなかった。

暗い気持ちを隠して、フードさんの隣に座る。

フードさんの隣には、いつもはない茶色い紙袋が置かれていた。



「フードさん、それはお弁当ですか?」

「ああ」

『明日からは俺も食事を持ってくる』



昨日のあの言葉、本当だったんだ……。

いつもひとりでご飯を食べているのが申し訳なかったから、嬉しい。

それに、フードさんと一緒に食べたいってずっと思っていたから……。



「ラウンジにあったものを適当に包んでもらった」

「ラウンジ?」



それって、なんだろう?

わからなくてフードさんを見つめると、私から顔を背けたフードさん。



「……食堂みたいなものだ」



ノワールの食堂かな……?