魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

入学式が終わって、教室に戻る。



「あの子、めちゃくちゃ可愛くない……?」

「でも、性格最悪らしい」



廊下を歩いている時、至る所から視線を感じた。

それも、あまりよい視線ではないような気がする。



「え……どういうこと?」

「さっき聞いたけど、妹のこといじめてるらしいよ」

「なんだそれ……美人でも、性悪はちょっと……」



聞こえた会話に、私は視線を下げた。

星蘭が教室で話してたこと、もう広まってるんだ……。

居心地の悪さを感じて、私はできるだけ顔を見られないように歩いた。



ふぅ……。

入学式が終わって、今日は解散になった。

逃げるように、非常階段に移動して、その場に座り込む。


教室では、完全に浮いてしまった……。

友達ができればいいな、なんて思っていたけど……やっぱり、そんなの無理だよね……。

高望み、しすぎだ……。