魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

度々見せるこの悲しげな笑顔には、一体何が込められている。

鈴蘭は何をしていたって可愛いが、この笑顔だけは……見たくないと思ってしまう。

何がこいつに、こんな顔をさせている。







「お、夜明おかえり!」



昼休みが終わり、寮に戻った。

寮には級長と級長が許可を出した生徒しか使えないラウンジがあり、今日は俺を待っていた竜牙以外にも先客がいた。



「揃いも揃ってなんだ」



へらへら笑顔を浮かべているのは、獅堂百虎。俺を見て会釈しているのがひとつ学年が下の冷然雪兎。

どちらも幼なじみという名の腐れ縁だ。



「なーあ、最近ついに恋に目覚めたってほんと?」



いつもの何を考えているのかわからない表情で、からかうように言ってきた百虎。