【side 夜明】



「フードさん……!」



俺を見て、笑顔で駆け寄ってくる鈴蘭。

そんなにか弱そうな体で走って……転んだら大変だ。

心配しながら、駆け寄ってくる鈴蘭を見つめる。

走ってくる鈴蘭を、このまま抱きとめてしまいたくなった。

俺の前で立ち止まった鈴蘭は、相変わらず愛らしい笑顔のまま。

とんでもない可愛さだ……。

えらく上機嫌だが何かあったのか……?



「どうした? ずいぶん嬉しそうだな」



そう聞けば、俺の言葉に恥ずかしそうに視線を下げた。

その愛らしいことと言えば……俺の心臓はいつものように、激しい衝撃を受けた。

この世にある言葉をどれだけ並べようとも、鈴蘭の可愛さを表すことはできない。

俺に頭を抱えさせるのは、お前くらいだ。

鈴蘭と出会ってから、早1週間。

日々共に過ごし、鈴蘭のことを知れば知るほど、その魅力の虜になった。