綺麗な白髪をなびかせ、堂々と歩いているその人は……遠目からでも、とても美しく見えた。


まるで……絵本に出てくる、王子様みたい。

かっこいいより、美しいという言葉が合う。

周りの生徒たちも、あまりの美しさに見惚れて、はぁっとため息をついているのが聞こえた。



「級長、白神ルイス」



名前を呼ばれ、スタンドマイクの前に立ったその人。

白神ルイス……なんだか、名前まで神々しい。

彼は無表情のままスピーチを始めた。



「――新入生の皆さん、この度は入学おめでとうございます。私たち在校生一同は、皆さんの入学を心から歓迎しています」



歓迎の言葉とは反して、表情は冷たい。無表情のまま、台本を淡々と読んでいるように見える。



「……くれぐれも、ブラン学級の生徒は学級にふさわしい行いを心がけるように。以上」