魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

「お前はいつもここで食べてるのか?」

「はい。お気に入りの場所です」

「ひとりで?」



聞かれたくない質問に、一瞬言葉が詰まった。



「は、はい」

「友人は?」



いませんなんて言ったら……不自然がられるかもしれない。

そういえば、フードさんには私の噂は届いていないのかな……。

フードさんはノワールの人で、生徒ではないみたいだから、知らなくても不思議ではない。

フードさんには、知られたくない……。



「友達はまだ、できていなくて」



考えた結果、そう答えることにした。

せっかく一緒にいてもらっているのに、気まずい空気になりたくない。



「そうか」



追及されなかったことに、安心する。