魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

お礼なんて本当に必要ないし、なんならもう十分すぎるほど幸せをもらったけど……フードさんの好意を無下にしたくない。



「ああ」



私の返事に、薄っすらと見えているフードさんの口元が弧を描いた。



「ありがとう、ございます」



なんだか、心がぽかぽかしてる……。

だけど、フードさんはどうして、私のことを気遣ってくれるんだろう。

ラフさんのことがあったから……?

それしか理由がないから、きっとそうなんだろうな。

昨日も思ったけど、フードさんはラフさんのこと、すごく大事にしてるんだろう。



「昼食を取りにきたんだろう? 俺のことは気にせず食べればいい」



え……。

今日も私が食べている間、ここにいてくれるのかな……?

嬉しくて、何度も頷いてから隣に座った。