「他の人間なら、もっと喜ぶはずだ……」
苦しそうな声色に、パチパチと瞬きを繰り返す。
それは、もしかして……。
「喜ばせようと、してくれているんですか……?」
「ああ」
半信半疑だった。自意識過剰だったかもしれないと後悔したけど、フードさんはさも当たり前かのように返事をくれる。
そんな……。
どうして、私なんかを……。
わからないけど……フードさんの気持ちが、とっても嬉しい。
そ、そっか……そっか……。
私を喜ばせようとしてくれていたんだ……。
「あ、ありがとうございます」
嬉しくてたまらないのに、そんなありきたりなお礼の言葉しか出てこない。
溢れそうになった涙を堪えるように、下唇を噛んだ。
「考えてみても、いいですか……?」

