魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

落ち込んでいても、何も変わらない。

せめて心だけは強く持とう。

それに、今は授業中だから……勉強に集中……!

聖リシェス学園の授業はレベルが高く、勉強は好きだからどの授業も楽しい。

2週間後に中間テストも迫っているから、気を引きしめなきゃ。








お昼休みになって、いつものように裏庭に向かう。

今日も、フードさんとラフさんが来てくれたり……なんて、しないよね。

ふたりはノワールだから、ブランに来る用事もそうないと思う。 

次はいつ会えるだろう……。

そう思いながらいつものベンチに向かった時、人影が見えた。

ベンチに座っている……昨日と同じ面影。

あっ……!



「フードさん……!」



嬉しくて、思わず大きな声で呼んでしまう。



「ラフさんも……!」