目に映る何もかもが興味深くて周りを見渡していると、後ろには保護者の席があった。
あ……お母さんと、お父さん……。
ふたりは、私じゃなくて、星蘭を見に来たんだ。
見ていると悲しくなりそうだったから、すぐに目を逸らした。
「開式の辞。これより、聖リシェス学園高等学校の入学式を執り行います」
進行の……あれは、確か教頭先生。先生の声が、ホール内に響き渡った。
私も背筋を伸ばして、先生を見る。
私の高校生活が、本当にここから始まるんだ……。
高校生になったという実感が少しずつ湧いてきた。
国歌斉唱、式辞や祝辞が終わって、在校生の挨拶に入る。
「ブラン学級、代表挨拶」
ブラン学級……私の所属する学級だ。代表ってことは、ブラン学級の級長さん……?
ゆっくりと、舞台に上がったその人。