「うん……もう慣れっこだから」

「お姉ちゃんから嫌がらせされてるの……?」

「……お姉ちゃん、わがままだから……仕方ないの。あたしが我慢してあげれば済む話だから」



私はただ、何も聞こえないふりをした。



「星蘭ちゃん、かわいそう……」

「ひどいな……」



嫌悪感を含んだ声があちこちから聞こえる。

それが、本当は怖くてたまらなかった。



「お姉ちゃんのことは責めないで……! あたしがバカだから悪いの。お姉ちゃんは悪くないから」

「星蘭ちゃん、優しすぎるって……」

「ますますかわいそうになってきた」

「こんないい子をいじめるとか、性根腐ってんな……」



やっぱり……平和な学園生活なんて、到底送れそうにはない。


高校3年間“も”……この立ち位置で、耐え抜いていかなくちゃいけない。

私たちはあっという間に、意地悪な姉と心優しい妹としてクラスメイトに認知された。