私は星蘭に、反論してちゃいけない。



「今朝だってあたしのケーキ勝手に食べたでしょ……? 食べないでって言ったのにっ……」



もちろん、ケーキにはひと口も手をつけていない。

これは全部、星蘭のパフォーマンス。



「あのふたり、姉妹なのか?」



周りのクラスメイトたちが、私たちを見ている。



「妹のもの取るとか、ひどいな……」

「美人だけど、わがままそう……」

「幻滅した……」



あ……。

みんなが、軽蔑の眼差しで私を見ているのがわかった。

……大丈夫。

こんな視線には、もう慣れてる。悲しいけど、仕方ない。

私は……いらない子だから。

生まれた時からずっと、星蘭の引き立て役。

そのくらいしか、私にできることはない。



「星蘭ちゃん、大丈夫?」



さっき仲良くなっていた男の子たちが、心配するように星蘭に寄り添っていた。