「まあ、そうだな……ゆっくり考えよう」

「ほんとですか?」

「ああ」



星蘭の機嫌を損ねないように、曖昧な返事をした。

星蘭が女神だと判明すれば……入寮に踏み切ってもいいが……それまでは今の距離感が限界だ。

正直……鈴蘭と婚約していた時は、早々に入寮の手続きを進めようと考えていた。

あいつは見た目だけは美しかったから、心配でそばに置いておきたかったという理由と……あいつとなら、他人と暮らすのも悪くないと思ったから。

今頃、こそこそ昼食をとっているだろう。

教室では居場所がないみたいだからな。

俺は脳裏に鈴蘭の姿を浮かべ、目をつむった。

……謝るなら、今のうちだ鈴蘭。

やはり俺のほうがいいと泣きつけば……今ならお前のもとに戻ってやる。