魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

鈴蘭と婚約破棄をして1週間。

あいつは完全に孤立しているのか、いつ見てもひとりで本を読んでいた。

冷然とした態度が、また俺の癇に障る。

もう少ししおらしくしていれば可愛げがあるというのに……。



「ルイス様! 今日の昼食もとっても美味しいです……!」



いつものように、級長室で星蘭と昼休みを過ごす。



「そうか」

「デザートはなんですか?」

「ケーキを用意させた」

「わあ……! 嬉しいです……!」



はしゃいでいる星蘭に、俺も微笑み返してやる。

婚約はしたが……別に、星蘭に対して恋情があったわけではない。

これはある種、鈴蘭への当てつけの意味もある。

俺が憎い妹と婚約し、自分は捨てられたとなれば……こいつはブランの笑いものだ。