魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~




「ルイス様が……かわいそうで……」



肩を震わせて泣いている星蘭。

俺はこみ上げる怒りを鎮めるように、息を吐いた。

鈴蘭……。

あの日、あの瞬間……あいつに一目惚れをした自分が情けない。

こんな女に俺は……一生を誓おうとしたのか。








「鈴蘭、お前との婚約を破棄する」



翌日、俺は鈴蘭に婚約破棄を突きつけた。



「異論があるなら言ってみろ」



これが最後の情けだ。

まあ、星蘭の言う通りプライドの高い女だとしたら……こんな大衆の前で俺にすがりつくようなことはしないだろうが。



「……ありません」



無表情のまま、そう言った鈴蘭。

最後までこいつは……最低の婚約者だった。



「そうだろうな。お前はもとより、俺に不満があったそうだからな」