魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

星蘭をまるで召使いのように扱い、逆らえば暴力を振るうこともあったという。

ひどい時は鈴蘭に部屋に閉じ込められ、まともに食事も与えられなかったらしい。

両親もそろって鈴蘭の味方らしく、家でも居場所がないそうだった。

鈴蘭、なんという人間だ……。

聖女のような見た目をしておきながら、悪魔のような女だと思った。



「俺から鈴蘭に言ってやろう」

「待ってください……!」



星蘭が、俺の服を掴んだ。



「お願いします……それだけは……」



声も体も、小刻みに震えている。



「一度、先生に相談して……ひどい目にあったことがあります……」



どうやらトラウマがあるらしく、相当怯えている様子だった。



「なので……ルイス様に言ったとバレたら……あたし……」