魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

「あたしは、ルイス様が一番素敵な人だと思いますけど。あっ……ごめんなさい、気安く名前で呼んで……」



あいつよりも優っていると言われたみたいで、気分がよくなった。



「別にいい。お前ならな」

「お待たせしました……」



タイミングがいいのか悪いのか、帰ってきた鈴蘭。

何度見ても、見た目は上等だ。だが……こいつが黒闇神のファンだと知ったからか、やはり憎らしく見えた。



「おかえり、お姉ちゃん」



今は……こいつの顔を見たくない。



「……もう授業が始まる。教室に戻る」



俺は鈴蘭を置いて、級長室を出た。








その日、放課後になるまで鈴蘭のことを考えた。

汚れを知らない純朴そうな見た目をしておいて……まさか妹をいじめるような女だったとは……。