魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

「あたしは……お姉ちゃんには、幸せになってほしいと思っています。白神様ならきっと幸せにしてくれるって信じています……」



目を潤ませながら、俺を見ている星蘭。



「だけど……白神様にも、幸せになってほしい……姉と一緒になってしまったら……あなたが不幸になってしまう気がして……お伝えするか、たくさん悩んだんですが……」

「……お前は優しい人間だな」



媚を売ってくる女たちと同じ匂いがしていたが……訂正する。

鈴蘭よりも、こいつのほうが心は綺麗らしい。



「あたしなんて、全然です……」

「そんな目に遭わされた人間の幸せを願うなど、普通の人間にできることではない」



15年間いじめられていると言っていた。

そんな奴の幸せを願うなど、俺ならば無理だ。