「いい加減……自分が現首相の一人息子であり、“黒闇神”家の次期当主という自覚を持ってくださいよ」



同じことを言うなと言ったのに、こいつは俺の言葉が聞こえていないのか?

普段ならその小言を煩わしく思うが、今はそんなこともどうでもよくなるくらいには気分がいい。

とにかくあの女のことで、俺の頭の中は埋め尽くされていた。