『汚いわね……触らないで!!︎』



ラフは助けを求めてその女に近づいたのか、叩かれて床に倒れた。



『ピエッ……!』



ブランの人間は信用するなと、何度言えばわかるんだこいつは……。



『星蘭、どうした?』



男が入ってきた途端、女の態度が豹変する。



『ルイス様……! 鳥がまぎれ込んできたんですっ……!』



まるで怯えるか弱い女を演じるように、そいつが男に抱きついた。

さっきまでのラフに対する態度からは想像もできない豹変ぶりだ。

 俺はこういう女が一番嫌いだ。

入ってきたのはこの女の恋人なのか……こいつも女を見る目がない。

よく見ると、この男には見覚えがあった。