魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

「おい、逃げるぞ……!」



彼らにもちゃんと聞こえたのか、一目散に逃げだして行った。

よかった……!

私は急いで、ぐったりと倒れている鳥さんに駆け寄る。



「大丈夫……!?」



羽も、全身水で濡れてしまってる……。

掴まれた部分の羽が少し落ちてしまっていて、見ていられなかった。



「ひどい怪我……」



うっすら血も滲んでる……。

早く手当てをしなきゃ……!

保健室に連れていけば、きっと診てもらえるだろう。



『だ、大丈夫です! ご主人に治してもらうので!』



鳥さんを抱えて歩きだそうとした時、突然高い声が聞こえた。

今の……だ、誰の声?



『助けてくださってありがとうございました!』

「え? しゃ、しゃべったっ……!?」