魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

驚いて、息を飲む。


「スパイかなんかか? にしても、ずいぶん弱そうな使い魔だな」



使い魔……?



「大した主人じゃなさそうだろ、このまま処分してやるか?」



さっきから、使い魔とか主人とかよくわからないけど、処分だなんて……。

あんなか弱い生き物を相手に、ひどい……!

あまりに残虐な彼らに、怖くて手が震える。



「その羽、もぎ取ってやるよ!」

「ピギィッ……!」



羽を掴まれて、鳥さんが悲痛な声を上げた。

ど、どうしようっ……助けてあげたいけど、私が言ったところで、やめてくれないかもしれない……。

そうだ……!



「せ、先生……!!」



こんなに大きな声を出したのは初めてと思うくらい、喉の奥から声を絞り出して叫んだ。