魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

その時の視線は……ただただ冷たいもので、その瞳で見られるたびに心が痛んだ。



「星蘭、行こう」

「はいっ、ルイス様!」



ふたりの背中が、眩しい。

ルイスさんに肩を抱かれている星蘭が、凄く羨ましく見えた。

……妹の幸せを素直に喜べないなんて、私は性格が悪い。

こんな人間だから……ルイスさんにも愛想を尽かされてしまった。



「ふたりとも、ほんとにお似合いだよね」

「星蘭ちゃんはいい子だから、幸せになってほしいよな」

「姉のほうは……ざまあみろって感じ」



クラスメイトたちの会話が耳に入る。



「今も家で嫌がらせされてるらしいぜ」

「級長と婚約してから、ますますエスカレートしたんだって……」

「自業自得なのに、級長を奪われたって逆恨みしてるらしい」