魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~

優しくされただけで好きになるのかと思われるかもしれないけど、それでも、私にとっては十分すぎる理由だった。

せめてこの気持ちだけでも、伝えたかった。

だけどきっと、もう遅い。

ルイスさんは星蘭を好きになって……私は捨てられてしまう。

何もない私は……愛してもらえない。

その日は声を押し殺して泣きながら、家までの道を歩いた。






そして、恐れていた時は思っていた以上に早く訪れた。



「鈴蘭、お前との婚約を破棄する」



あの日から、1週間が経った。

お昼休みに、ルイスさんが教室に来たと思ったら……みんなの前でそう告げられた。

あれからルイスさんは私とは話さないようにしていたし、お昼休みも放課後も星蘭を迎えに来て一緒に消えていたから……そろそろ婚