「朝起きて、胡桃の声聞けるこの瞬間が最高に幸せ」
「うん、私も……」
昨日は案の定というか……まあ、予想通りというか。
オフだった遥に急な取材が入ったとかでどうしても行かなきゃいけなくなって。
昨日もずっとおばあちゃん家にいるはずが、朝早くこっちに戻ってきた。
「でも今日は夜からだから、一日胡桃といられる。
けどなー、学校あるからなぁ……」
ほんと、一日胡桃とベッドにいたい。
朝ごはんを作っていたら、うしろからぎゅうっと抱きつかれた。
「はぁ……好き」
乱れた髪がふわふわ首に当たってくすぐったい。
「ふふっ、今日は甘えたい日?」
「ん……胡桃」
昨日のお仕事、大変だったのかな。
帰ってきたの遅かったみたいだし……。
すっごく眠そう……。
頭をポンポンすれば、うれしそうにその手にすりよってきた。
「ぎゅーして……」
「正面から?」
「ん、正面から」
くるっと体を反転して、まっすぐ遥を見つめて。
「胡桃……」
ぎゅうっと抱きしめられた耳元で、寝起きで甘く掠れた声が響く。
「手握って」
「はいはい」
「キスして」
「えっ!?」
「して、胡桃……」
「っ、もうっ……」
握った手をそっと持ち上げられて、そこにキスが落ちてくる。
乱れた髪からのぞく目が寝起きでとろんとしていてほんとうに色っぽくて。
「ん……ありがと。
おはよう、胡桃」
「お、おはよう……」
朝から刺激が強すぎる……!



