もう、キスだけじゃ足んない。



!?


「やっぱ胡桃じゃん!」


その声にバッと離れてうしろを向けば、


「もしかして、伊予(いよ)くん!?」

「うん、久しぶり」


サラサラの黒髪に、切れ長の涼し気な瞳。

シュッと整った顔立ちで、どこか遥らしい雰囲気の男の子は。


おばあちゃん家のすぐ近くに住んでて、私たちの4つ下の、伊予くん。

こっちに遊びに来てたころ、たしか伊予くんはまだ幼稚園で。

遥たちもいっしょによく遊んでたっけ。


「今は中学生?」

「うん、そうだよ」

「へえ、大きくなったね〜!」


身長は私よりちょっと大きいくらい。

遥よりは下だけど、中1だからこれからもっともっと伸びるはず。


「胡桃も」

「うん?」

「昔もかわいかったけど、今もめちゃくちゃかわいくなった」

「えっ!?」


少し照れくさそうに笑う伊予くん。

年離れてるし、年上のお姉さんに見えるのかな、私。

だとしたらうれしいかも。

大人っぽく見えるってことだろうし。


「伊予くんもかっこよくなったね。
学校でモテモテなんじゃない?」


「そんなことないよ。
でも、ありがと」


「うん」


ふふっ、相変わらずかわいいなぁ……弟みたい。