もう、キスだけじゃ足んない。



「胡桃」

「ん?」


「今はさ、せっかくだし久しぶりに4人でいるんだし!明るい話でもしようよ!」


「そうだね……でも明るい話って?」


「そりゃあ、決まってるでしょう!」

「なにが?」

「胡桃と遥のア・レの話!」

「あ、あれ……?」


「しらばっくれてもだーめ!
ふたりでいっしょに寝る約束してるんだから、やっぱこの間の続き、とうとうしちゃう??」

「知らないよっ!」


途端にニヤニヤし出す桃華から思いっきり顔を逸らす。

ヒジでこのこの〜!なんて言われる私は、頭の中で。


『ぜんぶ、ほしい』


切羽詰まった声と熱に浮かされた余裕のない瞳。

何度もそれがフラッシュバックして。


「っ〜〜!!」

「えっ、胡桃!?大丈夫!?」


もう、だれのせいだと思って!

こっちはずっと、考えないようにしてたのに!


久しぶりに遥と会って、心臓はずっとバクバクで、手がふれるだけでも、体は過剰に反応するくらい、
もはや緊張までしていて。

夜のことは必死に意識しないようにしてたから、こうなっちゃうと、もう夜のことで頭がいっぱい。


「はぁああああーーーッ」

「えっと、まあ……なんか、ごめんっ☆」

「軽っ!」


桃華……気持ちは元気になったけど、なんか複雑……。