もう、キスだけじゃ足んない。



『……なに、考えてるの』


ん?


『今、私が上乗ってるのに、なんか、ちがうこと考えてる……』


はっ!?


『もっと、私のこと、見てほしい……』


はあああ!?

ちょっ、待って、やっっっば。

え、心臓とまる。かわいすぎ。

俺の彼女、ツンデレどころかデレデレなんだけど!?


理性ぶっ飛んだときの胡桃、ほんと素直すぎ……。


カチャッ。


「なに?俺のこと、手錠かけてくれんの?」


外れた手錠を持ち上げた胡桃。


もう今俺、ぜったい声震えてた。


今にも抱きついて、押し倒したい衝動に駆られるのを必死に抑えて問いかける。


「しな、い……っ、」

「え?」


手錠はそこら辺にポイして。

ぎゅっと上から抱きついてきた胡桃の甘い声が、直接耳に注がれる。


「遥が、し、て……っ、」

「っ!!」

「こういうの、遥にしてほしい、から……っ」


『手錠なんかいらない。
いつもみたいに、遥といっぱいくっつきたい……』


「……」

「はるか……?んんっ……!」


震える心の声を聞いた瞬間。

頭の中でなにかがブチッと切れる音がして。


「っ、はぁ、」

「ん、胡桃……」


華奢なその体を組み敷いて、キスキスキス。

もう、キスの嵐。