もう、キスだけじゃ足んない。

***


「あーー!
楽しかったね!」

「私、めちゃくちゃ疲れたんだけど……」


なんとか無事撮影が終わって、私たちの家に帰ってきた。


「あすみは、めちゃくちゃ衣装もらってたけど、よかったの?その一着だけで」

「うん」


というか、もらっても、使い道ないし……。


『今日のお礼!
撮影に使った衣装ぜんぶ好きなのあげる!持っていってね』


胡桃ちゃんは……はいコレ!

1番似合ってたやつ!


『あ、ありがとうございます……』


なんて南津海さんからめちゃくちゃ笑顔で渡されて、要らないです、とは言いづらくて。


「桃華は、それ……?」

「うん!
1番かわいいなーと思って!」


「そっか……」

桃華も私と同じく、1番最初に着てたセパレートタイプのピンクのメイド(?)服。

正直なんでセパレートになってるのかは、いまだに謎だけど。


「ねー、胡桃!
せっかくだしさ、これ着て写真撮らない!?」


「えっ!?」


「だって、忙しくていっしょに撮る暇なかったじゃん!胡桃の初モデルデビュー、ってことで!」


「ええっ、でも、遥たちもう帰ってくるんじゃ……」

「大丈夫大丈夫!
せっかくだし、ね!?」


んー……。

まあ、もう二度と着る機会ないだろうし、桃華と同じお仕事を経験するいい機会にもなったし、写真くらいはいいかな。


「うん、じゃあ着替えよっか」

「よしきた!」