「はぁ……」
「大丈夫、ですか?」
よかった……治まったみたい。
ガクッとうなだれるようにうしろに寄りかかったその人の背中をもう一度なでて立ち上がる。
「お水、飲めますか……?」
「うん……」
近くにあったテーブルの水を手にとって、その人に渡す。
「どなたか呼んできましょうか……?」
「いや、大丈夫……もう、平気だから」
そう言って私を見たその人。
い、イケメン……っ!
歳は私よりだいぶ上な気がする。
20代前半くらい……?
Vネックの黒のTシャツに、黒のスキニー。
至ってシンプルな格好だけど、それがより大人の色気を感じさせて。
「ありがとう、助けてくれて」
「あっ、いえ、そんな、とんでもないです……!」
わ、笑った顔までイケメン……。
声もかっこいいし、相当モテるんだろうなぁ……。
「最近ちょっと寝不足でね。
リハしてたんだけど、急に苦しくなって」
こんなの初めてだったから、どうしようかと思ったよ。
「そう、だったんですか……」
たしかに目の下にうっすら隈がある。
リハってことは、俳優さんとかかな……。
遥たちと同じく、アーティストってこともあるけれど。
身近に芸能人がいるからかもしれないけど、遥たちを見ていてすごくわかる。
華やかなお仕事だけど、その分苦労とか、抱えこむものが多いってこと。
「君は、モデルさんか、なにか?」
「あっ、いえ……!
ふつうの一般人です……姉がモデルをしているんですけど、ちょっと頼まれまして、」
「お姉さん?」
「あ、momoって言います」
「……」



