もう、キスだけじゃ足んない。



「桃華」

「ん?」


「改めてだけど、俺と付き合ってくれる?」

「はい……っ」


「結婚を前提に」


「うん……っ、は!?」


結婚!?

あんなに色っぽい顔してたのに、急にあわあわし出す俺の愛しい彼女。

あー……かわいい。

遥の気持ち、今ならめちゃくちゃ分かる。


遥、いつも言ってるから。

早く結婚して、公に彼女は自分のものだって言えるように、認められるような関係になりたいって。


「桃華、今から出かけよう」

「ええっ!?どこに!?」


「指輪買いに」

「指輪っ!?」


「そう。ただでさえ桃華、男のファン多いんだし。結婚を誓った相手がいるって知らしめないと」


早く18になりたい。

卒業したらすぐ籍入れて、ふたりぐらし始めて……って、あれ、もうしてるんだった。


「あとはご両親にあいさつして……ああでも、遥んとこもOKもらえてるし、俺たちも大丈夫だよね」


「ちょっ、落ちついて杏……!」


「俺はずっと落ちついてるよ?」


だって、ずっと好きだった子がやっと彼女になった。

もう遠慮しない。したくない。


ねえ、遥。俺たちやっぱ似てるね。

好きな子に対しての、行動力やばいとこ。