ドクンドクンと音を立てる私の心臓。 び、びっくりしたぁ……。 キスのふりをされたときより鼓動を感じている。 それどころか、瞬と手を繋いだときよりもドキドキしてる。 だって……。 転びそうになったんだから! いやぁ…本当に……一瞬、死を覚悟したね。 顔面から行くかと思ったよ。 あー…よかったー……。 ハルくんに抱き止められたことよりも、転びそうになったことにドキドキの私は、一部始終を目撃していたいくつもの目に気づかなかった。