それでも私は見苦しいとは思わない。

むしろまっすぐだなって思う。


邪魔かもしれない。でも、別にあってもいい。


どの感情を大切にするかは、相手と向き合って初めてわかるのかもしれない。


だったら私は──



「取られないよ、大丈夫」


そう言うと、瞬が頭を上げた。

わかってるって納得させるように、無理して微笑みを作っている。


「言葉たりないよね。ごめん」

「信じてるよ、有咲の言葉。ただ……やっぱり全部は話してくれないんだ?」

「あとちょっとだけ待って」


たくさん言葉を飲み込んで、たくさん気持ちを誤魔化してきた。

その上さらに待たせて……事態はもっと最悪に転ぶかもしれない。


「待ってもらったところで全部は話せないかもしれないけど、他に話をしなきゃいけない人がいるの」


もう少しだけ時間がほしい。

誤魔化すのではなく、前に進むための時間にするから。