お膳がちょうど良く運ばれてきたので、
2人で手を合わせていただきますをして、食事をする。

天ぷらはサクサクふわふわ、揚げたてで美味しい。

「天ぷら美味しい。」
思わず微笑む。

「だろ。ここはなんでも美味しいからまた来よう。」

修哉さんが抱えている過去がどんなに辛くても、一緒に向き合って少しでも癒やしてあげられたらいいな。
あの頃の私には出来なかったけど、それでも前を向いて生きてきてくれた事、それだけで嬉しく思う。

「次来たら、今度はアジフライにします。」

修哉さんにもっと近づきたい。もっともっと知りたい。

「1枚あげようか?」

「いえいえ。次来る時の楽しみにしますから」
笑って応えて、天ぷらをほうばった。