昨夜、コンビニでその報告の為に剣持はやって来た。
『お疲れ様です。修哉。さっき連絡があって例の男、見つけたみたいです。
で、あなたはここで連夜何をしてるんですか?』
『小春を待ってる』
修哉は何げなく言って、コンビニを見つめる。
『えっ。仮にも、あなたは芸能人なんですよ。顔出しはしてないとしても、もうちょっと自分の行動に責任を持ってくれないと』
このマネージャー剣持、うるさいが使える男だ。
未だ敵か味方か分からないから信用はしてないが、上手く使えば手足のように動いてくれる。自称元ロッカーで若干暑苦しいが、
そこは仕方ない。
剣持には小春がストーカーされていると伝えてある。
『で。そいつはどこの美容院いる?』
『結構人気の美容院で、支店も都内に何店舗かある所です。
えっ⁉︎もしかして、行こうと思っていませんか⁉︎
やめてくだいよ!何かあったら危険ですよ。あなたにはもう、何千人も何万人ものファンがいるんですから、もっと慎重に行動しないと。』
修哉は剣持の熱量に若干引きながら、
『小春に何かあったらどうするんだよ。』
はぁ、と剣持はため息をつき、
『小春さんが大事なのは、よく分かりましたが、冷静に対応して下さい。』
ストーカー行為はまだ無いが、セクハラに対しては今更証拠も無いだろし、小春が忘れようとしてるのを掘り出してまでどうにかしようとは思ってない。
ただこれで奴が諦めるとは思わない。
出来れば、次に小春に接触してくる前にどうにか阻止したい。
『じゃあ。とりあえず、自分がそのお店に行ってどんな感じが偵察してきますから。
勝手に行くんだったら、店の場所は、あなたには教えてあげませんよ。』
そうきたか。無言で剣持を睨む。
『分かった。明日行ってすぐ報告しろ。小春の事は一切出すなよ』
『分かってます。軽く人間観察して、人物像を確認してきますから。
建に芸能界を渡り歩いてませんから、人を見る目だけは自信があります。』
こいつ、自分が探偵にでもなったみたいな口振りだな。若干呆れながら、とりあえず任せてみる事にした。



