「櫻井さんは、修哉のなんなんですか?」
エレベーターに乗ったとたん、突然聞かれる。中はあいにく2人っきりだ。

「えっと、昔からの知り合いと言うか…。」
どこまで話していいのか戸惑い、言葉をにごす。

「大丈夫ですよ。
そんな警戒しないでください。自分は味方なので」
内ポケットから名刺を差し出して私に渡した。
「これから、もし何か困り事があったら、自分に連絡下さい。
修哉にすぐお知らせしますので」

「仕事上、1番近くに居るので」
握手を求めるように手を差し出す。
 
「ありがとうございます…」
触れる事に戸惑ってとりあえず頭を下げて、その場を取り繕った。