朝起きると、小春からメッセージが入っていた。
(おはようございます。
おにぎりとプリンありがとうございます。
全部私の好きなのばかり。覚えててくれて嬉しいです)
絵文字にクマのスタンプ付きだ。

朝起きるのは苦手だが、自然に笑みがこぼれる。

小春には振り回されてばっかりだ。
今も、昔も、小春の事となると冷静ではいられない。

呆れながら、でもそんな自分もたまにはいいなと思う。

そういえば、中学時代もそうだった。
当時後輩で何かと懐いてきた奴が、小春の噂を聞きつけ俺に教えてきた。
3年生の女子が数人、小春を連れて体育館の方に行ったと、

嫌な予感がして急いで探したが、
すでに小春はそこに居ず、それらしい女子が数人いただけだった。

『なに、あの態度ムカつく。何様だと思ってるの一年のくせに』

『今のうちに痛い目に合わせないといい気になるよ』

小春は比較的大人しいし、普段は目立たないようにひっそりと隅っこにいるような性格だ。
ただ、本人は目立たないようにしてるつもりだが、可愛い顔立ちに白い肌、
色素が薄い栗色の髪が悪目立ちをして時々先生や生徒に呼び出されるらしいが、

これは牽制しとくべきだと判断し、 

『西野になんか用だった?
彼女に何かしたら俺が許さないから』 
と、告げておいた。