「決めた。この後すぐに婚姻届出しに行こう。もうこれ以上待てない。」
何がどうなって婚姻届まで話がいったのか小春は戸惑う。
「えっ!今からですか⁉︎
何かの記念日とか、覚えやすい日にちとかで提出すれば良いのでは?」
「早く仕上げて、美容師さん。
この後忙しいから、市役所まだやってるよな?何時まで大丈夫なんだ?」
急にスイッチが入ったみたいで修哉さんは早速スマホを取り出して検索している。
「今日は小春の昇進祝いだから日もいいだろ?
婚姻届は時間外窓口でも受理出来るらしいから9時半までに提出しよう。」
修哉さんの髪を必死で乾かしながら、9時半までならそんなに忙しくても大丈夫かと思う自分がいる事に気づく。
「小春?先走って悪かった…。
小春の気持ちが1番大切だから、ちゃんと確認するべきだった。
俺と結婚してくれるか?」
鏡越しに目が合う。
ニコッと笑って答える。
「はい、不束者ですがよろしくお願いします。
急に言われたのでびっくりしただけです。
でも一旦家に帰らないとですね。」
「それは大丈夫。いつでも出せるように持ってるから」



