クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜

「そうなんですね。さすが看護師さん。」
褒められて嬉しそうに看護師は笑って

「これで検査は終わりですので、点滴も一度外して寝る頃に再度付けにきますね。」

「あの、お風呂とかも入っていいんですか?」
気になって聞いてみる。
「脳震盪起こしているので、1週間はシャワーで様子を見て下さい。

お風呂場でくれぐれも転んだりしないでくださいね。

セカンド・インパクト・シンドロームって言うのがあって、短期間に再度脳震盪を起こすと非常に危ないんです。

命の危機もありますし、助かっても後遺症が残ったりしますから。

くれぐれも安静にしてください。
また、詳しい話は担当医の方から明日、検査結果とともにありますので。」

「小春、今日はシャワー辞めた方がいい。安静にして。」
修哉さんが言ってくる。

「要は、転んだり頭打ったりしなきゃいいんですよ。」
剣持さんがもっともな事を言って修哉さんに睨まれている。

「気をつけます。」

看護師さんは「また、就寝時間頃に来ます。」と言って部屋を出ていった。
 

私と修哉さんで遅いお昼を食べる。
気がついたらもう午後の3時を回っていた。

剣持さんが買ってきてくれたのは、
暖かいうどんでとても美味しく感じられた。

私はベッドで座ったまま作り付けの机で食べる。修哉さんはわざわざ隣りで一緒に食べてくれる。

「お持ち帰り出来るうどん屋を探して手間取ってたんです。
近くになくて、消化の良い物って言ったらうどんでしょ。」

「わざわざ探してくれたんですか、
すいません。
剣持さんはお昼は大丈夫なんですか?」

「自分は移動中に食べたのでお構いなく。」
ソファーの方でTVを観ながら剣持さんが言う。
「しかし、病院にこんな部屋があるとは初めて知りました。もはやホテルですね。」

「何寛いでるの?
用が終わったら帰れよ。」

「はぁ。あなたと打ち合わせする為に食べ終わるの待ってるの。明日だってきっと休みたいっていい出すんでしょ?」

「休んでいいんだ。」

「いやいや、出来ればちゃんと働いて欲しいですけど。」 

2人のやり取りが可笑しくておもわず笑ってしまう。
「ふふふっ。すいません。
ここで良かったらお仕事して下さいね。」