クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜

しばらく、タブレットで仕事を始める修哉さを見つめている。

改めて、この人に出会えて良かったと思う。きっと、このままずっと一緒にいる未来しか見えない。

私が修哉さんに相応しい人になれるまでどのくらいかかるだろう。

世の中の人は認めてくれるだろうか?
修哉さんの叔父さんにもまだ会ってないし、
前途多難だと思う。

でも、修哉さん無しではもうきっと生きられない。

ふっと目が合った。

「どうした?
ずっとこっち見てるけど眠れない?」

見つめ合う。

「俺のせいだな。
今は、あんまり考えなくていい。」
そう言って近づいてくる。

「どうしたらいい?子守唄でも歌うか?」
修哉さんが微笑みながら言う。

「私が眠るまで、手を握ってて下さい。」
そっと、片手を出すと優しく両手で握ってくれる。

「寝るまでこうしてるから、安心して寝て。
採血終わったら飯食おう。」

「もしかして、修哉さんも食べてないんですか⁉︎」

「バタバタしてたから、忘れてた。
剣持はどこまで行ったんだ?なかなか来ないな。」
笑いながら、顔を近付けおでこにキスをした。

コンコン。ノックが響く。
「…はい。」
修哉さんがそっと手を離して距離を取る。

「採血の用意ができましたので、失礼します。」
さっきの看護師が戻ってきた。

「お願いします。」

その後ろからバタバタと足音がして、
「すいません。お待たせしました。」
剣持さんが駆け込んでくる。