「風呂入った後にまた足湯?」
修哉さんは温泉の楽しみ方を知らないらしい。
「全部のお風呂を制覇するのが温泉宿の楽しい方なんですよ。」
ちょっと楽しくなって足湯に小走りで向かう。
腰かけて、修哉さんに来て来てと手を振る。
修哉さんも隣に座って足を差し入れる。
「熱っ!火傷しないかこれ⁉︎」
「どっちが長く入ってられるか競争しましょうか?」
しばらく座ってると、
しきりに私の足が赤くなるのを心配する。
「大丈夫ですよー。
足湯って発汗作用があっていいんですよ。いくらでも入ってられます。」
笑いながら言う。
「ヤバイ、もう無理だ。」
修哉さんが足を出して降参する。
「私の勝ちです。」
修哉さんには何やっても勝ちそうにないけど、勝てる物を見つけて嬉しくなる。
「小春も真っ赤だからもう出て。のぼせて倒れたら大変だ。」
心配されて、タオルで優しく拭いてくれる。
「腹減って来たな。早く部屋に戻ろう。」



