「うっうっうぅ…。ひ、1人でずっと…お母さんの事…ずっと…悲しみを抱えて…いた事知らなくて、私…」
ひっくひっくと肩が震えるのも止められず子供みたいに泣き続ける事しか出来ない。

「あぁーー。その事か。 
その事だったら気にしなくていい。
動揺して言うタイミングを間違えたな。

もう昔の事だし、小春が俺の為にそんなに泣く事はない。」
涙をポロポロ流して子供みたいに手で顔をゴシゴシする。

「泣き止んで。頼むから。
小春、せっかく飲んだ水がまた身体から無くなっちゃうだろ?」
どうしたら泣き止むのか修哉も途方にくれる。


不意に小春の膝裏に両手を回し抱き上げる。驚いた小春はおもわず首元に抱きつく。

びっくりした事で涙が止まる。

ソファに優しく下ろされ、ミネラルウォーターを手渡しされる。

「ゆっくり飲んで、飲まないと口移しで飲ませるぞ。」
やや脅し気味に言う。

「目が腫れるから顔擦るな。
濡れタオル持って来るからちょっと待ってろ。」
修哉さんは甲斐甲斐しく私のお世話をやいて、濡れタオルで目を冷やしてくれる。

私が落ち着くのを見守っている。

「俺も風呂入って来るから、
その間にベッドに行って先に寝てろよ。
もし起きてたら襲うからな。」
そう言って小春から離れていった。