例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

「わぁ……」



部屋に入ると最初に目に飛び込んできたのは、大きな窓から見える海。

壁が窓ガラスになっていて、海全体を一望できる。

漫画とかでよくある高級ホテルのワンシーンみたいだ。



「美波ちゃんは、こういうホテルには慣れているの?」

「ええ、まあ」

「すごいねー……」



食い入るように窓の外に広がる海を見る。

開放的な景色。

砂浜から見た景色とはまた違う。

海を見下ろしている感じがする。

沈んでいた気持ちが少し晴れた瞬間だった。



「優奈ちゃん、少し元気になりました?」

「え?」

「今日、元気なかったですよね」



……気づいていたんだ。

美波ちゃんは気づいていないのかと思っていたから、突然の言葉に声が出なくなる。

それと同時に申し訳ない感情も現れた。