「ねぇ~ママ。ランチのメインって何だか知ってる?」

 パパが淹れてくれたお茶をキッチンから運んできたママへ、あたしはこそっと尋ねてみた。
 
「あら? パパが言わなかった? 今日はホワイトアスパラガスだって」

 いえ、それは知ってるけど~あたしが質問しているのはメインディッシュなんですが?

「前菜は茹でたホワイトアスパラガスでしょ、で、次がスープね! ホワイトアスパラガスの。そしてメインはホワイトアスパラガス・リゾット!!」
「……へ?」

 にこやかに説明したママへ、あたしは思わずあんぐりと口を開けてしまった。

 どうして全部ホワイトアスパラガス料理なの!?

「だって~あなた、この間クラブで遅れて帰ってきた時に、先に食べ終えちゃったら怒ってたじゃない。「死ぬほどホワイトアスパラガスを食べさせてくれなきゃ、ヴェルには行かないー!」って」

 ……そんなこと……言った気も、しないでもないですが??

「だからパパは内緒でお隣さんに頼んでいたみたいよ? それが今朝届いたんですってー」

 そ、そうでしたか……こんなに愛されていて、心の底から嬉しいです、パパ。