本当にここは個人のお風呂ですの? もはや驚くだけ時間の無駄ですわね。今はこの開放感に浸って心を休めるとしますか。
シャワーから流れ出る温水が、疲弊した私の心を癒す。この広い空間を独り占めできる優越感が、私の中で何かに反応してしまう。
「このお風呂、ううん、違うわ。こういう場所を私は知っている気がするわね。気のせい、ではないかな。だって、この感覚が懐かしいんですから」
懐かしい、か。ひょっとしたら、高校へ進学する前は、こういう生活だったのかもしれませんね。親の顔も思い出せない状態ですが……。
湯船に浸かり私はここ数日の出来事を振り返る。
入学式の日に龍二とであったこと。
魔性の力が彼に通用しなかったこと。
彼に恋してしまったこと。
私の中でそれらが鮮明に映し出された。
「でも、なんで龍二には魔性の力が効かないんだろ。そもそも、魔性の力っていつから使えるように……っと、記憶を探ると頭痛に襲われるんだった」
こんなところで、倒れたら……。龍二に裸を見られちゃうじゃないのっ。もぅ、ダメよ、それだけは絶対にダメなんだから。
もし、私がここで倒れたら……龍二は助けに来てくれるのかな。裸を見られるのは恥ずかしいけど、助けに来てくれたら、嬉しい、かな。
私はメイドの存在すら忘れ、龍二との妄想を楽しんでいた。最初はなんとも思わなかったのに、今では彼なしでは生きていけないほど。
彼のどこに惹かれたのか分からない。ひとめぼれなのか、彼の持つ何かに惹かれたのか、私は思考をそちらへ向けようとした。
シャワーから流れ出る温水が、疲弊した私の心を癒す。この広い空間を独り占めできる優越感が、私の中で何かに反応してしまう。
「このお風呂、ううん、違うわ。こういう場所を私は知っている気がするわね。気のせい、ではないかな。だって、この感覚が懐かしいんですから」
懐かしい、か。ひょっとしたら、高校へ進学する前は、こういう生活だったのかもしれませんね。親の顔も思い出せない状態ですが……。
湯船に浸かり私はここ数日の出来事を振り返る。
入学式の日に龍二とであったこと。
魔性の力が彼に通用しなかったこと。
彼に恋してしまったこと。
私の中でそれらが鮮明に映し出された。
「でも、なんで龍二には魔性の力が効かないんだろ。そもそも、魔性の力っていつから使えるように……っと、記憶を探ると頭痛に襲われるんだった」
こんなところで、倒れたら……。龍二に裸を見られちゃうじゃないのっ。もぅ、ダメよ、それだけは絶対にダメなんだから。
もし、私がここで倒れたら……龍二は助けに来てくれるのかな。裸を見られるのは恥ずかしいけど、助けに来てくれたら、嬉しい、かな。
私はメイドの存在すら忘れ、龍二との妄想を楽しんでいた。最初はなんとも思わなかったのに、今では彼なしでは生きていけないほど。
彼のどこに惹かれたのか分からない。ひとめぼれなのか、彼の持つ何かに惹かれたのか、私は思考をそちらへ向けようとした。



