実家の近くの公立中学校に通っていたが、成績は優秀で憧れられる存在でとにかく目立つ。

 ただ、学校でも気軽に話しかけづらい雰囲気を纏い、特に女子に対しては全く隙を見せない。

 教師ですら一目を置く存在。

 頭の中を覗いてみたいくらいに、何事においても完璧で、注目を集める。

 高校に進学しても変わらず目立つ存在で、在学中にどんどん実績を積み、卒業後は大学に進学をせずプロ棋士として専念する道を選んだ。

 匠の成績だと日本でもトップクラスの国立大学に進学もできたが、プロ棋士を選んだ事に周りは納得した。

 それ程までに注目を集める匠は、服装から持ち物、更には対局の合間に食べる食事まで何でも話題にされ、窮屈な生活を余儀なくされている。

 遊ぶこともなく、ただただ日々将棋に専念する生活を送っていた……。

 そして、二十歳を機に今までの賞金でマンションを購入、一人暮らしを始めた。